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妄想の産物をのんびり綴るブログ
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「ジャニウス、今年でお前は幾つになる」
朝から呼び出され、何を言うのかと思いきや、父であるこのポルサーラの王はこんなことを言う。
まだ五十の齢ほどであり、まだ耄碌するには早い年齢のはずだ。

父王はポルサーラの王として約二十年在位している。
王としての評判は悪くは無いが、ここ数年財政・治安の悪化が目立ってきている。
・・・何より、ジャンはこの男が、大がつくほど嫌いであった。
この父に隙を見せることは、ジャンのプライドに大きく関わってくる。ジャンは、すかさず、24です、とそつなく答えておく。

「・・・アルティンと最後に会ったのはいつだ」
少しの沈黙の後、立派な髭をまとった口から発せられた言葉に、ジャンは目を見開く。
と、同時に怒りがこみ上げてくる。
「あなたが、アルティンの名を呼ぶ資格など無い」
内心憤怒していたが、腹の中で怒りを無理やり押し込め、淡々と、そして父の目を睨み付けながら言う。

「アルティンがここを去って十五年だ。・・・そして今年はファンティーアとの交流の年。そして、シディアナ、カッサムとの決戦の年でもある。」
ジャンは、はっと父の顔を見る。そうだ、もう十五年経つのだ。
・・・・アルティン

「お前には、このことについて一切を取り仕切ってもらおう」
「・・・・・はぁ!?」
いつもの冷静な仮面を被り続けていたジャンも、この言葉を聴いて頭が真っ白になった。

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「また、ファンティーアを見ていたの?」
その少女は少し唇の端を歪ませ、呆れたようにため息をついた。
「朝一番に言うことがそれか?サリア。」
くるりと振り返ったジャンは、それを見て眉尻を下げ、二つ年下の乳兄弟に微笑んだ。

サリアは、母の侍女だったタリーの娘である。
この国では珍しい漆黒の髪を長く伸ばしており、また、目が大きく切れ長で、背も女にしては大きいものだから、何かとこの大きな城でも目立つ存在だ。
幼いころからずっと共に過ごしてきたので本当の妹のように思っている。
・・・可愛げはないが。

「・・・まあいいや。ジャン、陛下がお呼びだよ。」
「こんな朝早く?」
まだ、日も完全に開けきっていない。
こんな時間に呼び出されるのは初めてだ。
「なんだか、重要な話みたい。急いで行ったほうがいいんじゃない?また、嫌味言われるよりは。」
心底嫌そうに、眉間にしわを寄せるサリアに、苦笑しつつ、何か呼ばれるようなことあったかな、と脳をフル回転させる。
「まあ、わかったよ。急いで行ってみる。ありがとう、サリア」
窓の桟から軽やかに下りたジャンに、サリアはその大きな目を細め、がんばって、と笑ってジャンの私室を後にした。

どんなに強く願っても思い通りに行くって保障はどこにもないんだ
わかりきってたはずなのにその時俺は思い上がってた
きっと彼女は俺のそばからいなくなったりしないって

***

今日もポルサーラは天気がいい。
窓の外を寝巻きのまま眺める。
どうやら潮風がここまで吹いているようだ。
どこか湿っぽく、そして強い潮の香りがする。
目を閉じて、鼻から息を吸い込んだ。
窓から差し込む朝の白い光が、彼のブロンドの髪をより輝かせる。
金の糸は、風に吹かれゆっくりと舞う。

「ジャン、入るよ」
その声に、ジャンと呼ばれたその彼は、ゆっくりと目を開け、どうぞ、と声だけかける。
だれか、承知しているからだ。

古めかしい木のドアが悲鳴をあげ、少し開いた。
そこには、使用人の服を着た一人の少女が立っていた。




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